みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと

岩井俊憲/ ディスカヴァー・トゥエンティワン

こんなリーダーにおすすめ

・もっとチーム力を高めたい
・部下にどう指導、接していいかわからない
・個人の力をもっと引き出したい

ざっくり目次

はじめに

1章 「建設的」な視点をもつ
 どんなときも建設的な方向に進むことはできる
 怒っている人の原因を探す必要はない
 劣っているからこそ成長できる
 私たちは協力し合うから進化してきた

2章 価値観をチューニングする
 誰もが、出来事を俗字の目で意味づける
 「より多く」「より広く」の潮店で考える
 極端なものの見方・とらえ方は避ける

3章 部下の言動に反応しすぎない
 「自分の課題」と「相手の課題」は切り分けて考える
 リーダーと部下が協力して取り組む課題とは?
 みんなで「共同の課題」について考える

4章 安心・信頼できる職場をつくる
 職場が安心・信頼できる場所になっているか
 問題のある人は、「共同体感覚」が欠けている
 共感の力を育む

5章 目的・目標を掲げ続ける
 目的を理解し、目標を落とし込む
 部下に注意する際は解決策をセットにする
 リーダーが大切にしてほしいこと

おわりに

内容

多様化し、フラット化した職場にこそ役に立つのがアドラー心理学と筆者。
本書はアドラー心理学に基づいたリーダー論を3つのポイントで展開します。
1つ目は「横の関係」。上司と部下は上下関係ではなく、役割の違いにすぎないのです。フラット化した今の職場にとって、とても合った考え方といえます。
2つ目は「建設的」という視点を大切にしていること。リーダーなら、部下同士の考え方が合わない、意見がぶつかる場面に立ち合うこともあるでしょう。そんなときこそ、「今から、目的のため、未来に向かって、何ができるか」の解決策をリーダーも部下もお互いに考え、話し合う。
こうした姿勢が大切なのです。
3つ目は「共同体・社会への貢献」。「共同体」の視点をとても大事にするアドラー心理学は「チーム」「組織」をとても大事にしているのです。

心に残ったフレーズ

65ページ2行目
 アドラー心理学では、「共同体感覚」という感覚を最重要のコンセプトの一つに掲げています。 「共同体感覚」は、耳慣れない言葉かもしれません。いったいどういう感覚なのでしょうか。

「はじめに」でも少しふれたように、「共同体」とは、「人間の複数体」のことで、家庭や会社、地域社会、国家のことなどを指します。人間は、個体、一人では限界があるけれど、共同体をつくり、協力し合うことで大きな目標を達成してきました。
 ゾウやトラより弱い人間が万物の霊長になれたのは、まさに「チームで協力してきたから」「社会性があるから」です。
 群れというチームで、情類を学び、協力し合って、獲物をとってきたのです。
 そうやって生き延びてきた人間だからこそ、「共同体を言頼すること」「共同体のために自分らしさを活かして貢献すること」が人間には生まれつき備わっていると考えたのです。

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