イノベーションを巻き起こす「ダイナミック組織」戦略

原田 勉/日本実業出版社

こんな悩みを持つリーダーにおすすめ

・組織について体系的な知識がない。
・チームに元気がない。
・イノベーションの参考になる事例を知りたい。

ダイナミック組織戦略の本の表紙

ざっくり目次

まえがき

第1章  戦略とダイナミック組織~競争優位からイノベーションへ
   「愚かさ」の喪失
   競争しない効用
   「組織」と「共同体」の違い

第2章 組織の共同体化~自転車操業こそ優れた経営である
   共同体に契約は不要?
  「顧客満足くそくらえ」を掲げる会社の真意
   社長室と社員食堂を入れ替えよ!

第3章 共同体の組織化~部下の部下は部下ではない(上司の上司は上司ではない)
   階層は不要なのか?
   現場を知らないトップの「権威による介入」
   仕組みを聖域化してはならない

第4章 円環運動としてのダイナミック組織
   陰陽の原理とダイナミック組織
   三つの組織タイプ
   牽引化への取り組みが「ダイナミック組織」の原動力となる

あとがき

内容

イノベーションを明確に考慮にいれた「ダイナミック戦略」によりイノベーションを実行してくことが重要であることを明らかにしていく。

日本型組織の多くに共通するのは組織が共同体化することで機能しているということ。しかし、欧米企業のような契約型組織に移行するのではなく、組織を共同化していくことで勢いをつけていくことが重要だ。

「組織の共同体化」には何らかの仕組みを伴う。仕組みなくして共同体化という運動を生み出すことは難しい。

共同体化を目的とした仕組みがある一方で、共同体化した組織が機能しなくなり始めた際に、それを是正するための仕組みもまた必要である。

「組織の共同体化」とはアクセル、「共同体の組織化」とはブレーキに該当する。
「ダイナミック組織」のマネジメントとは、このアクセルとブレーキのバランスを適切にとることである。

Good Point

正直にいえば、とても難しい本でした。理解できたのは半分くらいかもしれません。おすすめ図書とすることにも躊躇しました。

しかし、日本の組織は共同体化することで機能しているという指摘に大きな納得感がありました。その点だけでも紹介する意味があると考えおすすめ図書としました。

心に残ったフレーズ

85ページ12行目
このように使命を明確化し、従業員が使命に共感し、それによって鼓舞されるようなものになれば、「組織の共同体化」は半分成功したことになる。あと残された半分とは、その使命を浸透させることである。使命が浸透すれば、かれらは組織に所属しその価値を推進していくことに大きな意義を感じる。そして、その組織の存在を願うようになる。これが、まさに共同体型組織のあり方である。

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