うまく話さなくいい ビジネス会話のトリセツ
澤 円 /プレジデント社

こんなリーダーにおすすめ
- 部下との1on1や面談がうまく進まないリーダー
「何を話せばよいか」ではなく、「何のために話すのか」に焦点を当てる考え方が学べます。部下との対話を評価や指示の場ではなく、未来を一緒に考える場へ変えるヒントが得られます。 - 会議が長く、結論や行動につながらない組織のリーダー
本書では会議を「報告の場」ではなく「未来をつくる場」と定義しています。会議の生産性を高め、具体的なアクションを生み出したいリーダーに役立ちます。 - 「話し方」に自信がなく、発信をためらうリーダー
流暢さや話術ではなく、自分の考えを持ち、自分の言葉で伝えることの重要性を説いています。カリスマ性よりも誠実な対話を重視するリーダーにおすすめです。
ざっくり目次
はじめに 「うまく話そう」という“呪い”
序章 必要なのは話す「目的」
PART1 マインドセット編
「あなた」が話せばビジネスは動く
AI時代に人が言葉を紡ぐ意味
“話す前”に知っておきたい3要素―「合意」「定着」「観察」
PART2 実践編
成果に直結する「ビジネス会話」10のコツ
会話力の基本
「言葉を届ける」ために必要なこと
聞く力と訊く力
信頼関係は「同意」ではなく「合意」の積み重ね
“決まる”会議
「アクション」が生まれる会議のつくり方
1on1の極意
姿勢はフラットに、視点はさまざまに
最強のプレゼン
相手の「心」に残る話の伝え方
交渉の秘訣
「ライトパーソン」とともに「ベストアクション」を目指す
終章 ビジネス会話でチャンスをつかむ人、逃す人
おわりに 話し方で飾らず、相手に伝える中身を意識する
内容
本書は、「話し方のテクニック」よりも「会話の目的」を重視する新しいコミュニケーション論です。多くの人はプレゼンや会議、商談で「上手に話さなければならない」と考えます。しかし著者は、ビジネスの本質は話し方の巧拙ではなく、成果を生み出し課題を解決することだと述べます。
そのために必要なのは、会話のゴールを明確にし、相手と共有することです。また、AIが正解を提供できる時代だからこそ、人間には自分の考えや経験を自分の言葉で伝える価値があります。さらに、信頼関係を築くためには自己開示が欠かせず、「この人なら相談できる」と思われる存在になることが重要だと説きます。
会議についても、過去の報告をする場ではなく、未来の行動を決める場として再定義しています。本書は、話術や型に頼るのではなく、目的・信頼・主体性を軸にしたコミュニケーションのあり方を示した一冊です。特に、1on1や会議運営、チームづくりに取り組むリーダーに多くの示唆を与えてくれます。
心に残ったフレーズ
90ページ1行目
・・・会話とは「相手に伝わらない確率のほうが高い」という認識でいるくらいがちょうどいいと思います。そのため、話すときは相手の状況や理解度をその都度確認しながら、丁寧に話すことが欠かせません。
具体的には、「ここまではいいですか?」「なにかわからなかったことはありますか?」と、会話のなかで随時確認する。あるいは、「このことはご存じですか?」と、質問から話をはじめるのもいい手です。
そう、「定着」ですね。
その意味では、話す内容をすべて自分でコントロールする必要もありません。相手が前提となる知識をどの程度持っていて、またそのテーマをどの程度理解しているのかを、その都度探っていけばいいということです。
そうして相手をよく観察し、相手に気持ちよく話してもらうには、やはりワンセンテンスは短くしたほうがいいでしょう。
よく自分の考えや感想を一方的に長々と話す人がいますが、そんな人に限って途中で急に背景説明を挟んだり、一般的な意見を交ぜ込んだりして、文脈がコロコロ変わりがちです。相手の様子が目に入らないその姿は、まるで独演会。
必然としてワンセンテンスも長くなり、言葉のキャッチボールができません。そのため、聞き手が話を理解できなくなる可能性が確実に高まってしまうでしょう。

