知的複眼思考法
苅谷 剛彦/講談社
こんな悩みを持つリーダーにおすすめ
・自分らしい意見が浮かばない。
・筋道を理解したい。
・考える力をつけたい
ざっくり目次
序 章 知的複眼思考法とは何か
「自分の頭で考える」ということ
「正解」という幻想
第1章 創造的読書で思考力を鍛える
読書の効用
批判的に読む
批判的読書にチャレンジ
第2章 考えるための作文技法
書くことと考えること
接続のことばの役割を知る
違う前提に立って批判する
第3章 問の立て方と展開のしかた
「疑問」から〈問い〉へ
「なぜ」という問いかけ
問いを一般化・抽象化する
第4章 複眼思考を身につける
ものごとの二面性(多面性)に注目する
「一人歩き」を止めて考える
問題のはやり・すたり
内容
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできない。
では、「自分の頭で考える」とは。
すなわち、情報を正確に読み取る力。ものごとの論理の筋道を追う力。受け取った情報をもとに、自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、「常識」にとらわれずに、自分の頭で考えていくことができる。
つまり、知的複眼思考とは複数の視点を自由に行き来することで、一つの視点にとらわれない相対比の思考法といえる。
さらには、簡単にステレオタイプに飲み込まれない自分の視点を持つ知的複眼思考法は、あなた自身とあなたをとりまく世界を理解するための方法でもある。
Good Point
「自分の頭で考える」ことが具体的に学べる点が最大のGood Point。
SNS時代は情報過多でだから大変だ・・・とつい「常識」的に考えてしまう、つまり単眼思考に流されてしまう。
だからこそ、自分ならではの視点で、自分にとって何が重要なことなのかを考えることの大切さを教えてくれます。
よくある発想法やアイデアを出すためにハウツー本ではありません。
「自分の頭で考える力」が身につけられたら、と考えている人にはぜひ読んでほしい本です。
自分なりの考え方やものの見方を身につけるのはリーダーとしての必須基礎力です。
心に残ったフレーズ
32ページ8行目
答えを知ることと、考えることとの違いをはっきりさせないまま、正しい答えさえ知っていればそれでいいんだという、「正解信仰」が根深くあるからでしょう。受験勉強のしかたも、こうした正解探しの発想を強めているようです。この正解探しの裏返しが、「勉強不足症候群」とでも呼べるケースです。議論をしていてわからないことがあると、「よく勉強していないのでわかりません」と弁解する学生がいます。自分でわからないことにぶつかると、勉強不足・知識不足だと感じてしまうのです。