第6回 「問い」がチームを成長させる

「どうすれば、もっと良くなるだろう?」
「別の方法はないだろうか?」
学び続けるチームには、このような「問い」が自然と生まれます。
一方で、学びが止まってしまうチームでは、
「答えは何ですか?」
「どうすればいいですか?」
というように、「答え」を求める会話が多くなりがちです。
もちろん、答えが必要な場面もあります。
しかし、変化の激しい時代では、一つの正解だけでは対応できません。
だからこそ、学習する組織では「答え」よりも「問い」を大切にします。
今回は、チームを成長させる「問い」の力について考えていきます。
■ 良い問いは、考えるきっかけをつくる
リーダーは、つい答えを教えたくなるものです。
経験があるほど、
「こうした方がいいよ。」
「私ならこうする。」
とアドバイスしたくなります。
しかし、それではメンバーが自分で考える機会は少なくなります。
例えば、
「どうすればうまくいくと思う?」
「ほかに方法はありそう?」
「何が一番の課題だと思う?」
このような問いを投げかけることで、相手は自分の考えを整理し始めます。
学びは、人から教えられたときだけではなく、自分で考えたときにも生まれるのです。
■ 良い問いは、対話を深める
会議で意見が出ない理由は、「発言しにくい空気」だけではありません。
問いが閉じていることも原因の一つです。
例えば、
「この案でいいですか?」
と聞かれると、
「はい」「いいえ」
で終わってしまいます。
一方、
「この案をもっと良くするには、何が必要でしょうか?」
と聞かれると、改善案や新しい視点が出やすくなります。
問いを少し変えるだけで、対話の質は大きく変わります。
■ 良い問いは、失敗を学びに変える
失敗が起きたとき、どんな問いを投げかけるかで、その後の学びは大きく変わります。
例えば、
「誰の責任だったの?」
という問いは、人を守りの姿勢にさせます。
一方、
「今回の経験から何を学べるだろう?」
「次は何を変えてみようか?」
という問いは、未来へ視線を向けます。
問題を探すのではなく、学びを探す。
そんな問いが、学習する組織を育てていきます。
■ リーダーは「答える人」ではなく「問いをつくる人」
リーダーというと、「何でも知っている人」というイメージがあるかもしれません。
しかし、学習する組織では少し違います。
リーダーの役割は、
「正しい答えを持つこと」
ではなく、
「チームが考え続けられる問いをつくること」
です。
メンバーが自分で考え、意見を出し、お互いに学び合う。
そのきっかけをつくるのが、リーダーの問いなのです。
■ 今日からできる「問い」の習慣
難しいことをする必要はありません。
まずは、次のような問いを意識してみてください。
- 今日、一番うまくいったことは何ですか?
- もしもう一度やるなら、何を変えますか?
- この経験から、私たちは何を学べますか?
- お客様の立場だったら、どう感じるでしょうか?
- 他にどんな方法が考えられますか?
こうした問いを日常の会話に取り入れるだけでも、チームの学びは少しずつ深まっていきます。
■ まとめ
良い問いには、人を動かす力があります。
答えを与えられると、その場で考えることは終わります。
しかし、問いを与えられると、人は考え続けます。
学習する組織は、「正解」を増やす組織ではありません。
良い問いを増やす組織です。
リーダーが問いを変えれば、対話が変わります。
対話が変われば、チームの学びも変わっていきます。
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