ハラスメントがおきない職場のつくり方 ケアリングワークプレイス入門
中川 瑛/大和書房
こんなリーダーにおすすめ
・ハラスメントについて学びたい
・誰もが居心地の良い職場をつくりたい
・メンバーのコミュニケーションが様子見に感じる
ざっくり目次
はじめに 5人に1人は「怖い職場」で働いている!
CHAPTER 1 事例:グレーゾーンのハラスメント
グレーゾーンの加害に気付けるか
悪意がないから難しい
CHAPTER 2 原理:ニーズとケアから考える職場の人間関係
人の感覚は共有不可能
異なる解釈と出合うと人は傷つきニーズを持つ
加害の正体は、共同解釈の失敗とケアの欠如
CHAPTER 3 応用:ケアリング・ワークプレイスは綺麗事ではない
レベル1・まずは「言動」にさえ気をつければいい
レベル2・「判断」が多角的にできているか
ケアリング・ワークプレイスのメリットとは
CHAPTER 4:ケアリング・ワークプレイスのつくり方
「加害者は、変われない」わけがない
ボトムアップでつくるケアリング・ワークプレイス
トップダウンでつくるケアリング・ワークプレイス
おわりに ケアリング・ソサイエティへ
巻末資料 ハラスメント基本情報
参考文献
内容
ギクシャクした職場の空気の原因は、「ケアの欠如」にあった。
「またパワハラ?」「今度はあの人が?」
あなたの職場にはこんな話、ありませんか?
5人に1人が「怖い職場」で働いている現代。
加害者を排除しても、職場からハラスメントはなくなりません。
鍵となるのは、加害者を排除せずに始める組織全体の「ケア」でした。
本書では綺麗ごとではない「ケアリング・ワークプレイス」の
のビジネス的なメリットを解説。加害者への具体的な声かけや、ボトムアップ・トップダウンで会社の制度や文化を改善できるヒントがつかめます。
職場からハラスメントをなくしたい、もう人が辞めない職場を作りたい人、必読の書です。
心に残ったフレーズ
71ページ5行目
人は産み落とされてしまった瞬間から、誰かにケアされなければ簡単に死んでしまう、非常に無力で脆弱な存在です。そして大人になって、介護される段階に至っても、人は他者に依存し続けています。それが生きることと言っても過言ではありません。
このように人間の存在の基底にある「脆弱性」や「依存性」から、人間存在やその関わり、政治経済的な社会のあり方、世界の持続可能性などについて考える立場を、大きく「ケアリング・アプローチ」と呼びます。
この立場はミルトン・メイヤロフ『ケアの本質』がその起こりとして考えられています。看護や教育など、対人援助の領域で特に参照され、現在に至っては法学、リーダーシップ研究、政治学などにまで広がりを見せている思想の一大潮流です。私はこのケアリング・アプローチを職場に持ち込むことで、ケアリング・ワークプレイス、すなわち「ケアする職場」を提案したいのです。