組織X「エンゲージメント」日本一3連覇企業が語る、24のメソッド×事例
宮本 茂 (著)、白木 俊行 (著)/プレジデント社

こんなリーダーにおすすめ
・元気な職場にしたい
・職場コミュニケーションを活性化したい
・人材が育つ職場にしたい
ざっくり目次
はじめに
第1章 「メッセフィロソフィ」の確立へ。成功企業の軌跡とは・・・
Part.1 概論~変革の秘訣は「3つのキーワード」にあった
Part.2 物語~メッセ創業から日本一まで、変革の道のり
Part.3 総括~自社の事例を、汎用的な理論『組織X』へ
第2章 『組織X』の全体像を紐解くPCマトリクス
Part.1 コアフレームとなる「経営の4P」を理解する
Part.2 重要なのは「事業⇔組織」「経営⇔現場」の両立
Part.3 4Pを回して、組織をトランスフォーメーションさせる
Part.4 4つのCで4Pをつなぐ「PCマトリクス」
第3章 すべての道標となるPhilosophyの原則と事例
Part.1 Philosophy(理念策定)の原則
Part.2 Philosophy(理念策定)の事例
第4章 顧客価値を定めるPositioningの原則と事例
Part.1 Positioning(戦略策定)の原則
Part.2 Positioning(戦略策定)の事例
第5章 現場自律を生み出すPerformanceの原則と事例
Part.1 Performance(業績向上)の原則
Part.2 Performance(業績向上)の事例
第6章 個性を発揚させるPeopleの原則と事例
Part.1 People(人財開発)の原則
Part.2 People(人財開発)の事例
第7章 「4つのC」でつなぎ、完成する『組織X』
Part.1 Corporate-identity(企業個性)でつなぐ理念と戦略
Part.2 Corporate-identity(企業個性)の事例
Part.3 Center-pin(目標接続)でつなぐ戦略と業績
Part.4 Center-pin(目標接続)の事例
Part.5 Confidence(信頼構築)でつなぐ業績と人財
Part.6 Confidence(信頼構築)の事例
Part.7 Commit(理念浸透)でつなぐ人財と理念
Part.8 Commit(理念浸透)の事例
第8章 トレンドに左右されない「人的資本経営」戦略
著者鼎談:慶應義塾大学大学院政策・メディア研究家 特任教授 岩本 隆 氏
第9章 スパイラル型で進化する「未来のイノベーション組織」とは?
著者鼎談:一橋大学大学院経営管理研究科 客員教授 名和高司 氏
おわりに
内容
優れた組織とはどのようなものであろうか。カリスマ性を備えたリーダーが、強烈なリーダーシップを発揮して組織を束ね、成果を上げていく・・・そのようなイメージを持つ人も少なくないだろう。しかし、本書で語られるのは、“普通の人が、最高の組織をつくる方法論”である。
筆者の一人である宮本氏が在籍するメッセホールディングスは、まさに“普通の人たちによる普通の企業”でありながら、もう一人の筆者である白木氏が所属するリンクアンドモチベーションの普遍的な組織論を学び、“3年連続エンゲージメント日本一”という快挙を成し遂げた。本書は、その成果に至った理論と実践例を、体系立てて分かりやすく説いたものである。
なお、組織Xの“X”には“組織のトランスフォーメーション”“メッセの実践例とLMが掲げる組織論”“今までにない、新しいかけ算型の組織論”の三つの意味が込められている。
心に残ったフレーズ
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さて、当社が2021年から3年間にわたって、「エンゲージメント日本一」3連覇をしたことは先ほどお伝えしました。では「普通の会社」を自認する私たちが、いかにして日本一に踊り出たのか。これは、何も特別なことはありません。私たちは「聞いてみれば当たり前だけど、みんながやっていないことをやり続けた」だけです。いい換えれば、「一番を目指し、成功している企業がやっていることを、自分たちにもできるとじて、ひたすら徹底的に実践した」のです。中堅企業は特に「自分たちにはできない」と決め込んで、最初からやらないことが多くあるように思います。「成功企業が当たり前に行っていること」を、「あの会社は歴史ある大企業だから」とか「逸材揃いだから」と理由をつけて、諦めてしまっているのです。
では、「成功企業が当たり前に行っている」ことは何か。そのキーワードが「Why/What/How」です。この3段階の取り組みによって、組織や事業の力は格段に強くなっていきます。あまりにも、ありふれたキーワードだと感じられるかもしれません。けれども、私たちはさまざまな経験から、これがもっとも大切だと考えるに至りました。