2023WBC侍ジャパンヘッドコーチが伝える 「心」の動かし方

白井 一幸/PHP研究所

こんなリーダーにおすすめ

・部下指導に悩んでいる
・チームで目標を成し遂げたい
・チームビルディングでチームをまとめたい

ざっくり目次

PROLOGUE
侍ジャパンで伝えたかったこと

CHAPTER 1
チームビリディングのためのメンタル・コーチング

 侍ジャパンのチームビルディングの三本柱
 指導者がまず。目的、目標をもたねばならない
 「関わる」ことで自分も相手も組織も成長する

CHAPTER 2
コミュニケーション(人間関係)におけるメンタル・コーチング

 組織のメンバーとは距離感が近ければ近いほどいい
 心理的安全性の高い組織・低い組織
 小さな「成果」の延長線上に「結果」がある

CHAPTER 3
ヤンキースで学んだスカウティングと育成システム

 日本一弱いチームから世界一強いチームへのコーチ留学
 コーチングとは、相手が行きたい場所に連れていくこと
 本当の意味での謙虚さとは本音を言うことである

CHAPTER 4
選手への質問が能力と自主性を高める

 「怒る」「教える」「やらせる」の三悪
 外的コントロールでは、選手は皮変わらない
 自信の裏づけを積み上げていくことが本当の自信になる

CHAPTER 5
「メンタル・コーチング」を行うための心がけ

 四つの全力があるかどうかで判断する
 本人の試行錯誤を見守る余裕が大事
 書くことで目的意識がはっきりする

EPILOGUE
WBC優勝の未来にあるもの

内容

2023年に開催された第五回WBC(ワールドベースボールクラシック)で見事14年ぶり3度目の世界一に輝いた日本代表「侍ジャパン」。栗山監督から指名を受けてヘッドコーチに就任した著者が、いかにチームビルディングを行い、チームをひとつにまとめて、世界一の目標を達成したかを著す。

著者は、日本ハムファイターズでの現役時代に、プレッシャーや緊張を克服するために「メンタル・コーチング」を学んでプレーに生かし、当時の守備無失策記録樹立やカムバック賞を受賞。引退後は、ニューヨーク・ヤンキースへの指導者研修留学。その後、日本ハムヘッドコーチとして「怒る、やらせる、教える」を排除する「メンタル・コーチング」を導入して、日本一に輝く。

2023WBCでも、栗山監督の「信じて、任せて、感謝する」を支えて、世界一に貢献。選手の自主性を最大限に引き出して能力を開花させる指導理論から、コーチや指導者が具体的にどのようにチーム、組織をつくり、まとめ、選手や部下にどのように声がけをしていくべきか、現場の実例をもとに、どんなビジネス書よりも面白く、役に立ち、感動する一冊となっている。

心に残ったフレーズ

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 目的については、議論する必要がありません。企業理念を議論しようという会社がないのと同じです。侍ジャパンのゴールはここにある、それを選手一人ひとりが自分事にできるかどうかだけですから。「何のために野球をやっているのか」「なぜ仕事をするのか」「われわれはどんなときに、喜びや達成感を感じることができるのか」。これが目的です。目的が明確でないと、意欲は湧きません。「あの辺りに向かって全力で走れ」と言われても、全力で走れる人はいないですよね。ゴールがないわけですから。何事も目的が大事だということです。
 目標はわかりやすい。目的を明確にすることが、目標達成になるからです。ところが、目標だけあって目的がない組織や個人もいます。業績が上がらない会社は、売り上げがいくらなどの目標しか見ていません。お客様は、あなたの会社が儲かるかどうかなんてどうでもいい。お客様はあなたの会社が自分のために何をしてくれたのか、あなたの会社をどう思ったかのほうが大事なのです。
「お客様に感動を与える」ーこれが目的です。あなたの会社は、お客様に素晴らしいものを与えてくれる、と多くの人が思えば、数字は手についてきますよね。

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