象の鼻としっぽ コミュニケーションギャップのメカニズム 

細谷 功/梧桐書院

こんなリーダーにおすすめ

・話がうまく伝わらないと感じる
・何回も同じことを言ってしまう
・聞いてくれているようだが何も変わらない

ざっくり目次

はじめにーなぜ「象の鼻としっぽ」なのか

第1章 コミュのケーションガップを生む「三つの原因」
 1「本当の原因」と「よくある思い込み」
 2 人はみな悲しいほど自分中心
 3「伝わっている」という幻想
 4 象の鼻としっぽを別々に見ている

第2章 「お互いに一部しか見ていない」ことによるギャップ
 1「フィルター」を通すとどう見えるのか
 2 同じものを見て正反対の認識になるのはなぜか
 3「意見も対立」はなぜ起こるのか
 4「部分」であることに気づかないのはなぜか

第3章 「フィルターの枠の大きさが異なる」ことによるギャップ
 1 認識の対立が起こるのはなぜか
 2 達人と凡人はどこが違うのか

第4章 「フィルターの歪み」によるギャップ

第5章 「象」は論理、「フィルター」は心理
 1「象」と「フィルター」は何を象徴するのか
 2 フィルターの歪みは矯正できないのか

第6章 ギャップをつねに「認識」しておくために
 1 なぜこうまで「気づかない」のか
 2 ギャップを解消する方法はないのか

おわりにー本書のメッセージは「伝わった」か

内容

話が伝わらない、かみあわない、理解できないなど、コミュニケーションのイライラをすっきり解消する思考のサイエンス。コミュニケーションギャップの原因は、(1)人はみな自分中心 (2)伝わっているという幻想 (3) 象の鼻としっぽ。

全体像や実像、虚像等に用いられている「像」という漢字は「人」+「象」という構成でできています。自分勝手で思い込みの激しい「人」が見ることによって、たった1頭であるはずの「象」が百人百様の「像」に見えてしまう。これがコミュニケーションギャップの根本原因といえるでしょう。

あまりに身近すぎて気付くことが難しい、コミュニケーションの心構えを学ぶことができる1冊です。

心に残ったフレーズ

96ページ3行目
 コミュニケーションには「コンテンツ」と「プロセス」という側面があります。「コンテンツ」はコミュニケーションの中身や内容で、「プロセス」はその伝え方、あるいは受け方と定義すればわかりやすいでしょう。コンテンツという本体をプロセスという包み紙でくるんだ関係という表現もできるかと思います。
 こうして「切り分け」てみればわかるでしょう。男性というのはコミュニケーションの「コンテンツ」への着目度が高く、女性というのは主にコミュニケーションの「プロセス」への着目度が高いのです(図25)。
 これらの違いを具体的に説明しましょう。先ほどの「女性は話を聞いてほしいだけなのに、男性は「問題を解決」しようとする」という現象を例にとります。コミュニケーション「プロセス」を重視する女性にとっては、つまらなそうに聞きながら(プロセスx) アドバイスをしてくれる(コンテンツO)よりは、楽しそうにうなずきながら(プロセスO)何も言わずに(コンテンツ☓)聞いているほうがはるかに快適に感じるのです。

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