マネジャーによる職場づくり 理論と実践

中村和彦/日本能率協会マネジメントセンター

こんな悩みを持つリーダーにおすすめ

  • リーダーに必要なスキルや知識を獲得したい
  • 職場を活性化したい
  • 良い職場づくりの具体的な手法を学びたい

ざっくり目次

はじめに

第I章 マネジャーであるあなたは時代の分岐点にいる
  1 マネジメントは管理じゃない
  2 時代によって求められるマネジャー像が変化している
  3 今の時代のマネジャーは大変
  4 自分事の範囲が狭まっている
  5 マネジャーが解決策を判断する問題とそうではない課題
  6 これからのマネジャーに期待されているのは?

第II章 職場づくりのための基礎知識
  1 人と人とが関わる際の2つの側面:コンテントとプロセス
  2 フィードバックは鏡(ジョハリの窓)
  3 関係性の構築は仲良しをめざすのではない
  4 職場づくりは関係性の発達の促進
  5 やりとりの4つのレベル

第III章 部下との1対1の関わり
  1 伝えること≠コミュニケーション⁉
  2 質問による関わり
  3 対話的に伝える関わり
  4 フィードバックによる関わり
  5 マネジャーと部下による1on1ミーティング

第IV章 チームや職場レベルの関わり
  1 話し合いや会議での職場づくり
  2 職場づくりの3ステップ
  3 強みに焦点づけた対話と未来づくり

第V章 マネジャーの自己成長
  1 リフレクティブ・マネジャーになる
  2 うまくいっていることに目を向ける
  3 自職場以外の場で学ぶ
  4 テレワークをマネジメントする力を高める

おわりに

内容

「組織開発」の理論と実践の手引書。組織開発とは、効果的で健全な職場や組織にしていくための理論と手法のまとまりのことで、職場の活性化を目指すリーダーにとっては必須の力です。

この組織開発の手法が学べるように基礎編のI章では、マネジメントやマネジャーの役割の基礎的な考え方について、II章では職場づくりの基礎知識について解説されてます。

そして、III章以降の実践編では部下との1 対1 の関わりを通した職場づくり、チームや職場レベルでの関わりに働きかける職場づくり、さらにはマネジャーの自己成長について紹介されています。

Good Point

組織開発は「風呂敷」に例えられます。人材開発から組織の活性化に関するものならなんでも組織開発という風呂敷で包むことができるのです。

要するに、とても幅広く、実際に取り組もうとすると何から着手したらよいか途方にくれるることが多いのです。そんななか、本書をガイドに選べば活性化した職場づくりへのアプローチが可能になるはずです。

リーダーが自ら成長しながらリーダーとしてチームにどう関わっていけばよいのか。専門的な知識が有る無しに関わらず、リーダーにとってはほんとうに頼りがいのある水先案内人になってくれるはずです。

心に残ったフレーズ

186ページ28行目
 部下と話す際に、うまくいっていることに目を向けるコツは、「ポジティブな問いかけをする」ことです。「どんなところに不安がある?」、「反省点は?」と問いかけると、問題や課題についての回答が返ってきます。そうすると、やりとりの中で、マネジャーは必然的に問題を目を向けることになります。「今日うまくいったことは?」、「その仕事に対して自分の強みをどんなふうに発揮できる?」というように、うまくいっていることや強みを引き出す問いかけをするとうまくいっていることが話されるやりとりになります。そうすれば、やりとりのなかで自然に強みに目が向きます。
 最後は、マネジャー自身が[自分の強みやよさに目を向ける]ことです。自分自身のうまくいっているところか、問題やうまくいかなっかことか、どちらに目を向ける傾向があるかと精神的な健康度とは関連があります。精神的に健康で活き活きとするのは、自分自身のうまくいっているところに目を向けている人です。部下が活き活きとするためには、まずマネジャーである自分自身が活き活きとすることから始まります。

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