組織は「言葉」から変わる。ストーリーでわかるエンゲージメント入門

黒田天兵(著)/朝日新聞出版

こんなリーダーにおすすめ

・エンゲージメントについて学びたい
・メンバーの主体性を引き出したい
・エンゲージメントを生むマネジメントに取り組みたい

ざっくり目次

はじめに
第1章 「エンゲージメント」って何だ?
     チームを強くする監督の条件
     「エンゲージメント」と「モチベーション」は似て非なるもの

第2章 組織変革は「エンゲージメント」の計測から始まる
     どうすれば、志を持った社員は育てられるか?
     エンゲージメントのアップに向いた人とは?

第3章 エンゲージメントを高める「インナーブランディング」
     インナーブランディングは「言葉づくり」から始める
     「組織の未来へとつながる言葉」を浸透させる方法

第4章 「インナーブランディングの担い手」は誰か?
     インナーブランディングに関する仮説を検証する
     組織変革を推進するための二つのチーム

第5章 組織の成長には「WHY」が欠かせない
     「社会に提供できる価値」を考える
     組織の「WHY」を自分の言葉で語る
 
終章 エンゲージメントとは「ここで働き続ける理由」でもある
     自分のしている事後とに誇りを持てるか?

おわりに

内容

 組織改革を任せられた営業課長の今居は、高校の恩師で著名な経営コンサルタントでもある灰出に教えを乞うが・・・。
 経営課題として話題の「エンゲージメント」がストーリーでわかります。社員の主体的な創造性を引き出し、成果に直結する働きがいを生み出すマネジメント手法の解説。

 世界的な調査会社であるギャラップ社の2017年発表の調査によると、日本は「熱意溢れる社員」の割合が6%(アメリカは32%)であり、調査した139カ国中132位と低い結果でした。著者は、高い一体感を持ち急成長を遂げる「強い組織」に共通するものとして注目を浴びている「エンゲージメント」を、「誰か・何かに貢献しようとする志」と定義します。本書は、組織内で「エンゲージメント」を高めていく流れをストーリー仕立てでひもといていきます。

 主人公は社長にインナーブランディングに関する提案を行い、展開が加速。ミッション・ビジョン・バリューの策定、組織の「WHY(≒そもそも何のためなのか)」を追求する管理職ワークショップの開催、社内における反応の変化など、実際にエンゲージメントを高めるために組織で行う取り組みの流れが、ブランド戦略プロデューサーである著者ならではの視点で描かれています。

心に残ったフレーズ

84ページ16行目
 「俺は、この会社をどんな会社にしたいのか?」
 この答えを自分なりに持てないようでは、次に進めない。今居はそう感じ始めていた。
 このままでは、しがないイチ会社員として、人生を終えてしまう。それだけは、自身のプライドが許さなかった。今居はこの答えを探し出すために、必死であった。
 この答えが見つかったら、今居には考えていることがあった。部長や役員をすっ飛ばして、社長に直訴するのである。
 今居は、社長直轄の新規事業開発チームのメンバーの一人でもあった。社長とは2カ月に一度、話ができるチャンスがある。社長との数少ない接点を活用して、会社の変革プランを持ち込もうと目論んでいた。「どんな会社にしたいか?」「それはなぜか?」、そして「どうやってそれを実現するか?」。これをぶつけてみようと思った。そして予算をつけてもらい、その実行の主体者となるのである。

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