第2回 なぜ今、組織開発が必要なのか?

〜環境変化・複雑性・心理的安全性にどう向き合うか 〜

組織開発について学び始めたばかりの方に向けたこの連載、第2回のテーマは「なぜ今、組織開発が必要なのか?」です。

「なんとなく聞いたことはあるけれど、正直よくわからない」「自分の職場にどう関係あるの?」──そんな疑問にお答えするために、今回は組織開発が注目されている理由と、初心者でもできる第一歩の視点をお届けします。

変化のスピードと複雑性の時代

今、あらゆる組織が急激な変化にさらされています。

  • 市場ニーズの変化や技術革新
  • 働き方の多様化(リモートワーク、副業など)
  • 組織の中にあるさまざまな価値観の違い

こうした変化に、これまで通りのやり方では対応しきれなくなっています。
だからこそ「人と人」「チームと組織」の関係性を見直し、組織全体の力を引き出す組織開発の視点が求められているのです。

心理的安全性があると、人が動く

職場の中でこんな経験はありませんか?

  • 発言すると否定されそうで黙ってしまう
  • 失敗がこわくて新しいことに挑戦しづらい
  • 意見がぶつかると避けるようになってしまう

こうした雰囲気があると、いくら制度や仕組みを変えても、うまくいきません。
今、注目されているのが「心理的安全性」という考え方です。

これは、「安心して本音を言える環境」があると、人はもっと力を発揮できるという視点です。
初心者の方でも、この概念を知ることで「何が職場を停滞させているのか」に気づけるようになります。

関連記事:
「なぜそうなる?」(Why so)を活用して、活動の意義を深める方法

「問題を直す」ではなく「可能性に目を向ける」

組織開発の特徴のひとつは、「今の問題をどう直すか」だけではなく、「もっとよくなる可能性はどこにあるか?」に目を向けることです。

たとえば──

  • うまくいっていることを観察し、それを広げる
  • 「なぜこれをするのか?」という目的を深掘りする
  • チームの強みや価値を見つめ直す

これは初心者の方でも、今いる現場で前向きな問いかけをすることから始められます

組織は「関係性」でできている

「組織」というと、役職や部門、会議体などの仕組みばかりに目が向きがちです。
でも実際は、「誰とどう話すか」「どんな信頼関係があるか」といった目に見えない関係性こそが、組織の動き方を大きく左右します。

このような関係性を整えていく方法の一つが「すり合わせ」です。
すり合わせとは、意見や期待、背景を丁寧に確認しながら、お互いの認識をそろえていく対話のプロセス。初心者でも日常の会話から意識できる、とても大事な技術です。

関連記事:
すり合わせを実践するためのステップ:チーム力を高めるポイント

管理から可能性の開発へ:新しいリーダー像

組織開発は「管理の強化」ではなく、人と組織の「可能性を開く」ことが目的です。
それは、指示命令ではなく、対話によってチームの力を引き出すリーダーシップのあり方にもつながっています。

リーダーでなくても、日々の会話や姿勢の中で、「可能性を見る人」になることは誰にでもできます。

関連記事:
大課長にならないために

まとめ:初心者こそ、組織を変える力を持っている

「組織開発って難しそう」「自分にできることは少ないかも」と感じる方もいるかもしれません。
でも実は、日常の対話や関係性に目を向けることこそが、組織開発の第一歩なのです。

初心者だからこそ見えること、感じられることがあります。
ぜひ、これからの記事を通して「実践しながら学ぶ」旅を一緒に進めていきましょう。

Follow me!