第10回 壁にぶつかったとき、どうする? ─ つまずきを乗り越え、学びに変えるために ─

組織開発の取り組みを始めると、多くの人が最初に驚くのは「想像以上にうまくいかない」ということです。話し合いの場をつくっても協力が得られない、取り組みが続かない、意見が対立してまとまらない・・・。
でもこれは、失敗ではなく「プロセスの一部」です。
大切なのは、壁にぶつかったときにどう受け止め、どう対応するかです。
よくあるつまずきとそのヒント
① 協力が得られないとき
例:「上司がまったく興味を示さない」「メンバーが動いてくれない」
- よくある原因:目的が共有されていない、相手にとってのメリットが見えていない
- 対策:まずは「なぜこれをやるのか」を丁寧に伝え、相手の立場から見た利点を一緒に考える
関連記事:「なぜそうなる?」(Why so)を活用して、活動の意義を深める方法
② 継続できないとき
例:「せっかく始めた取り組みが、数回で終わってしまう」
- よくある原因:最初から大きな変化を目指しすぎる、成果を急ぎすぎる
- 対策:まずは小さな成功体験をつくることに集中し、続けられる仕組みを意識する
関連記事:すり合わせを実践するためのステップ:チーム力を高めるポイント
③ 意見がまとまらないとき
例:「議論ばかりで前に進まない」「対立が深まってしまう」
- よくある原因:立場や価値観の違いを理解する対話が不足している
- 対策:結論を急がず、まずは「相手が何を大切にしているのか」を共有する時間をつくる
関連記事:話し合いを変える「対話」の力
トラブル対応の考え方
つまずきを乗り越えるときのポイントは、「問題解決」よりも「学びに変える」ことです。
- 「なぜうまくいかなかったのか?」をメンバーと一緒に振り返る
- 「次はどんな工夫ができるか?」を考える
- 失敗を責めるのではなく、「次へのヒント」に変える
こうした姿勢が、チーム全体の心理的安全性を高め、挑戦しやすい雰囲気をつくります。
自分自身の感情との付き合い方
壁にぶつかるとき、同時に生まれるのが「焦り」「怒り」「不安」といった感情です。
初心者の方ほど、こうした感情に引きずられやすいものです。
感情との付き合い方のコツ
- まず、自分の感情を認識する
「自分は今、焦っているんだな」と気づくだけでも落ち着きやすい - 感情の背景を探る
「なぜイライラしているのか?」を振り返ると、自分が大事にしている価値観に気づける - 小さくリセットする習慣を持つ
深呼吸する、席を立つ、5分だけ散歩する──感情を切り替えるきっかけを持つ
まとめ:壁は「学びの入り口」
- 協力が得られないときは、相手の立場から「意味」を考える
- 継続できないときは、小さな成功体験を積み重ねる
- 意見がまとまらないときは、対話の時間を大切にする
- 感情が揺れるときは、自分を客観視し、リセットする
壁は「失敗」ではなく、次の一歩を見つけるチャンスです。
組織開発は、うまくいかない経験そのものを学びに変えるプロセスなのです。

