現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件
遠藤 功 (著)/東洋経済新報社

こんなリーダーにおすすめ
・現場力で競争力を高めたい
・強い組織、対応力の組織にしたい
・自主的に動ける組織にしたい
ざっくり目次
増強改訂版の刊行に際して
はじめに
序章:素朴な疑問
第1章「強い現場」とは何か
①「強い企業」の条件
②「現場力」とは何か
第2章「オペレーショナル・エクセレンス」の追求
①現場力が競争上の優位性にまで高められているか
②「強い現場」「弱い現場」は何がどう違うか
第3章「強い現場」の7つの条件
第①の条件 企業哲学としての「現場力」
第②の条件 脱・事なかれ主義
第③の条件 主権在現
第④の条件 自律的サイクルを埋め込む
第⑤の条件 見える仕組み
第⑥の条件 オルガナイズ・スモール
第⑦の条件 継続する力
第4章 現場力を高める6つのポイント
ポイント①「否定」する力を養う
ポイント②「タコツボ」を割る
ポイント③「『改善』が当たり前」の組織をつくる
ポイント④「5-20-100」で組織を帰る
ポイント⑤「7つの道具」を使いこなし、粘り強く現場力を高める
ポイント⑥経営者が旗を振りつづける
第5章 すれば現場力をものにできるのか
①なぜ明日葉は躍進するのか
②現場力を経営の「軸」に据える
③「逆ピラミッドの三角形」を構築する
おわりに
オペレーショナル・エクセレンス 30のキーワード解説
内容
ビジネスモデルは同じなのに、あの会社はなぜうちよりも利益が上がっているのか。なぜうちよりもユニークな商品を次々と出せるのか。なぜうちよりも顧客の評判がいいのか。そしてなぜうちよりも社員の目がいきいきと輝いているのか――それらはすべて「現場力」の差に由来すると、筆者は指摘する。
経営コンサルタントとして50社を超える経営に関与し、300を超える現場を訪ね歩いてきた筆者。36刷17万部のロングセラー『現場力を鍛える』は、「現場力」という言葉を日本に定着させ、「現場力こそが、日本企業の競争力の源泉」という考えを広めるきっかけとなった。
企業の競争力の源泉とは何か? それは「現場力」である、と著者は言う。つまり、どんなに素晴らしい戦略を打ち出しても、それが実行されなければ所詮「絵に描いた餅」。企業の戦略を実行する当事者である現場の持つ力が、最大の競争力の源泉ということだ。この、現場力の重要性とその鍛え方について、豊富な事例を交えつつ解説する。
心に残ったフレーズ
60ページ1行目
「正しいこと」を「正しくやりつづける」ためには、どうしたらよいのだろう。
「正しいこと」すなわち合理的な戦略を選択するためには、経営者、各事業部門のトップ、戦略スタッフが多面的な視点から自社に適した最も妥当性の高い戦略シナリオを導き出さなければならない。
そのためには、潮流を読む力、戦略発想、構想力を磨かなければならない。
真に差別化され、ユニークでありながら、身の丈に合った競争戦略を組み立てるのは決して容易な作業ではない。
しかし、そこで導き出された「正しい」戦略を「正しくやりつづける」ことはより難易度が高い。
そもそも、戦略を正しくやりつづけ、結果を出す主体は経営者でもなければ、戦略スタッフでもない。その実行主体は企業のオペレーションを担う「現場」である。
オペレーションというと、たんに日常業務をこなすだけの戦略性の低い企業活動と捉えられがちだが、現実にはオペレーションの優劣が企業の業績を大きく左右していると言っても過言ではない。
そして、企業のオペレーションには、戦略を軌道修正しながら遂行する「組織能力」が内包されている。
これを私は「現場力」と呼ぶ。
オペレーションカとは、すなわち現場力のことである。