話す力より「聴く力」がリーダーを決める

リーダーと聞くと、「話がうまい人」「説明がわかりやすい人」を思い浮かべる人は多いかもしれません。
確かに、伝える力は重要です。
しかし、チームが機能し、メンバーが育つ現場を見ていると、別の共通点が見えてきます。

それは、よく話すリーダーより、よく聴くリーダーの方が、チームを前に進めているという事実です。

■話す力が強いリーダーが陥りやすい落とし穴

話す力に自信があるリーダーほど、次のような状態に陥りがちです。

  • 説明やアドバイスが長くなる
  • メンバーが考える前に答えを提示してしまう
  • 「正しいこと」を言っているのに、行動が変わらない

これは、能力の問題ではありません。
「話すこと」が、メンバーの思考や主体性を奪ってしまう構造の問題です。


■聴く力がチームにもたらすもの

リーダーが本気で「聴く」と、チームに次の変化が起こります。

  • メンバーが安心して話すようになる
  • 課題や違和感が早期に共有される
  • 意見の質が上がる
  • 当事者意識が高まる

聴くことは、情報収集ではありません。
メンバーの思考を引き出し、関係性をつくる行為です。


■「聴いているつもり」になっていないか

多くのリーダーは、「自分はちゃんと聴いている」と感じています。
しかし、実際には次のような状態になっていることも少なくありません。

  • 相手が話している間に、次に言うことを考えている
  • 話の途中で結論やアドバイスを挟んでしまう
  • 「つまりこういうことだよね」と早くまとめたくなる

これらはすべて、「理解」より「処理」を優先している状態です。
本当に聴くとは、相手の考えが言葉になるまで待つことでもあります。


■リーダーに必要な「聴く力」の具体的行動

聴く力は、才能ではなくスキルです。
次のような行動を意識するだけで、チームの反応は大きく変わります。

  • 結論を急がず、最後まで話を聴く
  • 沈黙を怖がらず、考える時間を渡す
  • 評価や正解を挟まず、「どう考えた?」と問い返す
  • 感情と事実を分けて受け止める
  • 話を要約せず、まずはそのまま受け取る

これらはすべて、メンバーの主体性を守る行動です。


■聴く力が「フィードバックの質」を変える

良いフィードバックは、話す前に始まっています。
それは、「どれだけ相手を聴けたか」によって決まります。

  • 背景や意図を理解してから伝える
  • 本人の言葉を使ってフィードバックする
  • 一方的な評価ではなく、対話として返す

聴く力があるリーダーのフィードバックは、
指摘ではなく次の行動につながる対話になります。


■まとめ:リーダーを決めるのは「声の大きさ」ではない

リーダーは、話がうまくなくても構いません。
声が大きくなくても、カリスマ的でなくてもいい。

チームを動かすのは、よく話す力ではなく、よく聴く力。
メンバーの声が集まり、思考が深まり、行動が生まれる。

その中心に立てる人こそ、いまの時代のリーダーです。


リーダー自身への問いかけ

  • 最近、最後まで聴いた会話はありましたか?
  • アドバイスを挟まずに、相手の考えを引き出せた場面はありますか?
  • あなたのチームには、安心して話せる空気がありますか?

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