対話型ファシリテーションの手ほどき

中田 豊一/ムラのミライ

こんなリーダーにおすすめ

・メンバーの本音を知りたい
・チームの本質的な課題を掴みたい
・メンバーの悩みを解決したい

ざっくり目次

まえがき
1 「なぜ?」と聞かない質問術.
2 「どうでした?」ではどうにもならない
3 「朝ごはんいつも何食べる?」の過ち
4 簡単な事実質問が現実を浮かび上がらせる
5 「いつ?」質問の力
6 行動変化に繋がる気付きを促すファシリテーション
7 ◯〇したことは、使う
8 信じて待つ=ファシリテーションの極意
9 気付きには時間がかかる.
10 達人のファシリテーション
11 対話型ファシリテーションを使うインドの村人
12 答えられる質問をする
13 それは本当に問題か
14 都合のいいように解釈する
15 時系列で聞いていく
16 対話型ファシリテーションの実践性
17 ◯◯が足りない
18 問題とは何か
19 栄養不良の原因は貧困か
20 考えさせるな、思い出させろ
21 空中戦を地上戦に
22 対話型ファシリテーションは最強のコミュニケーションツール

内容

本書は、NPO法人ムラのミライが国際協力の現場で培った「メタファシリテーション®」の基本を、身近な事例を通してやさしく解説した一冊です。相手の本音が聞き出せない、問題の話し合いが空回りする、といった悩みに対し、「問いかけ」によって相手の中にある課題や解決の糸口を引き出す技術を紹介しています。

著者・中田豊一が体系化したこの手法は、ただ聞くのではなく、対話によって相手の行動と思考を明らかにする実践的な方法。支援・教育・地域づくりなど多様な場面で活用できる対話の力を学べます。

心に残ったフレーズ

心に残ったフレーズ
41ページ15行目
 私が、ファシリテーションの研修を行った時のことです。研修受講者のひとりである女性Aさんが、朝、15分ほど遅れて来ました。この機会を捉えて、私は、事実質問の実例をデモンストレーションするために、以下のようなやりとりを始めました。
私「自宅からここまで、何時間かかりますか?」→A「30分ほどです」
私「今朝は何時に起きましたか?」→A「(照れくさそうに)8時半です」(研修は朝9時に始まるのだから、8時半に起きたのでは、間に合うはずがない)
私「では、タベは何時に床に入りましたか?」→A「午前2時過ぎです」
私「それまで何をしていたのですか?」→A「DVDで映画を見ていました。レンタルビデオの返却期限が今日までだったので、昨日のうちに見ておこうと思ったのです」
私「なるほど、事情はわかります。で、それを見始めたのは、何時でしたか?」→A「12時過ぎです」ここまで来ると私は質問を止めて、黙り込みました。
 しばらくそうしていると、Aさんが、自ら口を開きました。
「そうですよね。映画を見るのだったら、もっと早く見始めなくてはなりませんよね」

 この言葉を、私が説教がましくAさんに言った場合と、このケースのように、Aさんが自ら発した場合との違いを想像してみて下さい。ファシリテーションと呼ばれる手法の意味がそこに見えてくるはずです。

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