ふつうに生きるって何?
井手 英策/毎日新聞出版
こんなリーダーにおすすめ
・働く目的を考えたい
・共生社会について学びたい
・ビジョンを考えたい
ざっくり目次
01 あきらめ半分の少年の物語
02 「ふつうじゃなくなったふつう」のしんどさ
03 僕はどうして聞けなかったのか?
04 民主主義のしなやかさ
05 ゆるコミュを作ろう!
06 思い出格差を終わらせろ!
07 自分らしく、みんなのために
08 あの人にやさしくできない理由
09 長所をさがせ!
10 病気の子どものそばにいちゃダメですか?
11 税金の使いみちを説得せよ!
12 貧乏になれば心も貧しくなるの?
13 おとな? 子ども? 僕は人間だ!
14 「みんないってる」の魔力
15 みんなだれかの幸せを願っている
16 勝者のいない競争
17 満たし合い、たより合える世界
18 みんなの幸せの「かたち」
19 遠くて近くにいる仲間
20 「できない」を「挑戦」に変える
21 選べないなら、みんなで作ろう
22 悲劇をなくすために僕たちにできること
23 自分に刺さった激しい怒り
24 終わりなき成長の旅
まだ見ぬ友人たちへ ─あとがきにかえて─
内容
障害がある、ないにかかわらず、女の人も男の人も、お年寄りも若い人も、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会、これを「共生社会」といいます。
本書では、小学5年生の主人公・愉太郎が、日々の暮らしの中でさまざまな疑問と出合い、悩みます。
そして、生きづらい社会の中で、お互いに支え合うことの大切さに気づいていく過程が描かれています。
誰もが安心して暮らせる社会を実現するために、私たちにできることとは何か?
子どもたちに生き方を問いかけ、また親世代の大人たちにも気づきをもたらす内容です。
心に残ったフレーズ
71ページ10行目
自分のがんばりは、全員の勝利につながり。みんなでよろこびを味わうために一人ひとりががんばります。反対に、自分の失敗は全員の悲しみにつながりますから、友達を悲しませないよう、みんな全力をつくします。
そうです、「自分が自分のために汗をかく」「みんながみんなのために汗をかく」。このふたつのがんばりで、私たちの世界は成り立っているのです。
とはいえ、「みんなのために汗をかく」というのは、実にやっかいで、難しい面があります。たとえば、勝ったときに「あいつのおかげだ」とみんなが感謝し、人気者が生まれるのはいいことです。でも、負けたときに「あいつのせいだ」となって、だれかを犯人扱いするとしたらどうでしょう。自分が誰かのために汗をかいたからこそ、残念な結果で終わったときに、人はついだれかを責めたくなってしまうものです。