第3回 話し合いの質が変わる ― 会議運営×AI

会議は、チームの知恵と経験が集まる大切な場です。
しかし実際には、「話したはずなのに決まっていない」「一部の人だけが話して終わる」「結局、次に何をすればいいのか曖昧」という状況も少なくありません。
会議の質を左右するのは、参加者の能力ではなく設計と振り返りです。
そして、この設計と振り返りを静かに支える存在として、AIは非常に相性の良いツールです。
1. AI議事録の使い方 ―「書く作業」から解放される
AI議事録とは、特別なシステムを導入することではありません。
やっていることはシンプルで、会議の記録をAIに整理してもらうだけです。
● まず用意するもの
- 手書きや箇条書きの会議メモ
- チャットに流れた議論のログ
- 会議後に急いで書いた走り書き
- 音声の文字起こし(精度は完璧でなくて問題ありません)
文章が整っていなくても、話し言葉のままでも構いません。
● AIへの基本的な依頼
以下は今日の会議メモです。
この内容をもとに、議事録として整理してください。
・議題ごとに要点を整理
・決定事項
・未決事項
・次のアクション
これだけで、最低限使える議事録が完成します。
● 一歩進んだ使い方
以下の会議メモを整理してください。
・主な論点
・意見が分かれた点
・合意できた点
・懸念として出た発言
・次回に持ち越すテーマ
AI議事録の価値は、「記録」よりも構造化にあります。
会議で何が起きていたのかが、後から見ても分かる形になります。
2. 発言量・論点の偏りを可視化して、チームの声を拾う
会議がうまく機能しない原因の多くは、「偏り」にあります。
- 発言する人が固定化している
- 議論が一部の論点に集中している
- 本音が出る前に時間切れになる
AIに会議記録を渡すと、こうした偏りを感覚ではなく事実として整理できます。
この会議記録から、発言量や論点の偏りがあれば指摘してください。
また、十分に扱われなかったテーマがあれば教えてください。
重要なのは、これを評価や批判に使わないことです。
あくまで「次の会議をどう設計するか」の材料として使います。
3. AIに「論点整理」と「次のアクション」を出してもらうコツ
会議後に疲れが残るのは、「結局、何をすればいいのか」が曖昧なまま終わるからです。
AIに次の整理を任せることで、会議の成果が明確になります。
この会議内容をもとに、次に取るべきアクションを整理してください。
・具体的な行動
・担当の考え方
・期限の目安
ここでのポイントは、そのまま採用しないことです。
AIの提案は、あくまでたたき台。
最終的な判断と調整は、リーダーとチームが行います。
4. 会議運営でAIが担うこと、リーダーが担うこと
役割を分けて考えると、AIの使いどころがはっきりします。
AIが担うこと
- 情報の整理
- 偏りの可視化
- 行動案のたたき台づくり
リーダーが担うこと
- 対話の場づくり
- 意見を引き出す関わり
- 合意形成と意思決定
AIは会議を「効率化」するだけでなく、
対話の質を守るための裏方として力を発揮します。
今日から使える「AIへの入力例」
● 議事録整理
以下の会議メモを整理してください。
・主な論点
・決定事項
・未決事項
・次回への課題
● 会議の振り返り
この会議について、
・うまくいった点
・改善できそうな点
・次回工夫したい点
を整理してください。
締めの言葉
会議の質は、参加者の能力や熱量だけで決まるものではありません。
設計と振り返りが整えば、同じメンバーでも話し合いは大きく変わります。
AIを会議運営の裏方として活用することで、チームの声をより公平に拾い、前に進む会議をつくることができます。

