第9回 メンバーの「思い」に火をつける ─ 内発的動機づけの実践法 ─

こんにちは。組織開発の学びを深めているみなさんへ。
今回は「人は何によって動くのか?」という根本的なテーマに迫ります。

「指示しても動かない」「やる気が続かない」──組織の中でよく耳にする悩みですが、そこには「動機づけ」の違いが関わっています。

人は何によって動くのか?

「何度言っても動かない」「やる気が見えない」
そんな悩みを抱えた経験はありませんか?

人の行動には大きく分けて2つの動機があります。

  1. 外発的動機づけ
     報酬・評価・罰則など、外から与えられる刺激で動く
     例:給料のために働く、叱られないために最低限こなす
  2. 内発的動機づけ
     自分の興味・関心・価値観から動く
     例:成長したいから挑戦する、仲間と協力するのが楽しい

組織開発が重視するのは、後者の「内発的動機づけ」。
なぜなら、人が本当に力を発揮するのは、外からやらされる時ではなく、自分の中からやりたいと思えた時だからです。


よくある“失敗例”

初心者がやりがちな、意欲を下げてしまう対応を3つ紹介します。

① 意味を伝えない

✖ 「この資料、金曜までに作って」
→ 目的が不明だと“やらされ感”しか残らない。

◎ 「この資料は来週のお客様提案につながるので、私たちの強みを伝える重要なものです」
→ 意義が伝わると、主体性が生まれる。


② 任せるふりをして口を出す

✖ 「自由にやっていいよ。ただ、ここはこうして…」
→ 結局コントロールされていると感じる。

◎ 「基本は任せます。困ったら相談してください」
→ 裁量の範囲を明確に伝えると、自律性を感じやすい。


③ 「できて当たり前」で終わる

✖ 「それくらい普通だよ」
→ 承認がなければ達成感も成長感も得られない。

◎ 「短時間でまとめられて助かりました」
→ 行動を具体的に認める言葉が、意欲を支える。


実際に使えるセリフ例

すぐに現場で試せる、ちょっとした声かけです。

  • 目的を共有する
    「なぜこれをやるかというと、○○につながるからです」
  • 裁量を渡す
    「この3つの案の中で、どれを進めたいですか?」
  • 成長を認める
    「前よりスムーズになりましたね」
    「その工夫が役立ちました」
  • 一緒に考える
    「どうすればもっと良くできそうでしょうか?」
  • 感謝を伝える
    「ありがとう、すごく助かりました」

実践のヒント:やらされ感を自分ごとへ

これらはすべて、日常の小さな実践から取り入れることができます。


まとめ:小さな関わりが火を灯す

内発的動機づけは、大きな仕組みや制度からではなく、日々の関わり方から生まれます。

  • 意味を一言添える
  • 裁量を少し渡す
  • 成果を具体的に認める
  • 一緒に考える姿勢を持つ
  • 感謝を伝える

こうした小さな工夫の積み重ねが、「やらされ感」を「自分ごと」に変え、メンバーの思いに火をつけるのです。

Follow me!