漫画 君たちはどう生きるか
吉野源三郎(原作)羽賀翔一(漫画)/マガジンハウス
こんなリーダーにおすすめ
・仕事へのやる気が湧かない
・自分の価値観をみつめたい
・目標、目的をあらためて考えたい
ざっくり目次
1.へんな経験
ものの見方について(おじさんのノート)
2.勇ましき友 前編
3.勇ましき友 後編
真実の経験について(おじさんのノート)
4.ニュートンの林檎と粉ミルク
人間の結びつきについて(おじさんのノート)
5.貧しき友
人間であるからには(おじさんのノート)
6.ナポレオンと4人の少年
偉大な人間とはどんな人か(おじさんのノート)
7.雪の日のできごと 前編
8.雪の日の出来事 後編
9.石段の思い出
人間の悩みと、過ちと、偉大さについて(おじさんのノート)
10.凱旋
11.春の朝
内容
1937年に吉野源三郎さんが著した「君たちはどう生きるか」を誰もが手に取りやすい漫画にしたのが本書。
あらすじは・・・旧制中学校に通う15歳の少年コペル君、本名は本田潤一。二年前に銀行の重役であったお父さんを亡くし、今は郊外の小ぢんまりとした家に母親とお手伝いさんと暮らしている。
コペル君はある時、家によく遊びに来る母の弟である叔父さんから一冊のノートを渡される。そこには過去に、叔父さんや友人と話したり、考えたりした、さまざまな出来事が記され、それに対する叔父さんからのメッセージが綴られていた。
天文学、化学、物理学、経済学、英雄譚・・・叔父さんとの対話を続けるうち、コペル君はものの見方や貧困、差別といった社会の構造、人間関係について学ぶ。
そして、親友たちとの間に“ある事件”を起こしたコペル君は「どう生きるか」について深く問いかけられることになる。
心に残ったフレーズ
51ページ1行目 真実の経験について(おじさんのノート)より
子供のうちは、どんな人でも、地動説ではなく、天動説のような考え方をしている。子供の知識を観察してみたまえ。みんな、自分を中心としてまとめあげられている。電車通りは、うちの門から左の方へいったところ、ポストは右の方へいったところにあって、八百屋さんは、その角を曲がったところにある。静子さんのうちは、うちのお向かいで、三ちゃんところはお隣だ。
こういうふうに、自分のうちを中心にして、いろいろなものがあるような考え方をしている。人を知ってゆくのも同じように、あの人はうちのお父さんの銀行の人、この人はお母さんの親類の人という風に、やはり自分が中心になって考えられている。
それが、大人になると、多かれ少なかれ、地動説のような考え方になってくる。広い世間というものを先にして、その上で、いろいろなものごとや、人を理解してゆくんだ
・
・(中略)
・
しかし、大人になるとこういう考え方をするというのは、実は、ごく大体のことに過ぎないんだ。人間がとかく自分を中心として、ものごとを考えたり、判断するという性質は、大人の間にもまだまだ根深く残っている。