リーダーの仮面 ―「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法
安藤 広大/ダイヤモンド社
こんなリーダーにおすすめ
・つい最近リーダーになった
・リーダーとして何から取り組めばよいかわからない
・部下との接し方に迷っている
ざっくり目次
はじめに なぜ、「リーダーの言動」が大事なのか?
優秀な人ほど犯す2つの「失敗」
リーダータイプは才能なのか?
「仮面」はあなたを守ってくれる
序章 リーダーの仮面をかぶるための準備
ー「錯覚」の話
感情的なリーダーが犯した失敗
組織マネジメントは「数学」だった
「5つのポイント」だけで別人のように変われる
「モチベーション」という病
第1章 安心して信号を渡らせよ
ー「ルール)の思考法
「自由にしていい」はストレスになる
ルールを「決める人」と「守る人」
ルールは「誰でも守れる」が絶対条件
ルールが「仲間意識」を生み出す
「リーダー失格」の行動とは何か
チームにとっての「要注意人物」
「ダメなルール」はみんなを混乱させる
「自分を主語にする」という姿勢
第2章 部下とは迷わず距離をとれ
ー「位置」の思考法
ピラミッド組織を再評価しよう
「責任者」がいないと何も動かない
位置によって「見える景色」が異なる
リーダーの視点は「未来」に向けられている
「お願い」ではなく「言い切り」で任せる
リーダーは「お願い」をするな
ストレスのない「正しいほうれんそう」をしているか
部下がストレスを感じる「ほうれんそう」とは
第3章 大きなマンモスを狩りに行かせる
ー「利益」の思考法
部下の「タテマエ」を本気にするな
「言行一致していない」が大前提
どこまで行っても「組織あっての個人」
大きなマンモスを山分けしよう
「集団の利益」から「個人の利益」が生まれる
組織ファーストで上に情報をあげよう
健全なる「競争状態」をつくる
「位置について、よーいドン!」をやろう
第4章 褒められて伸びるタイプを生み出すな
ー「結果」の思考法
他者の「評価」からは誰もが逃げられない
社内の「人気」に要注意
リーダーは「プロセス」を評価してはいけない
「褒めれば伸びる」は子育ての論理
「いい返事」に惑わされるな
「褒めること」の大きすぎる弊害
リーダーがやるべき「点と点」の管理術
「手取り足取り」と「背中を見せる」のあいだ
第5章 先頭の鳥が群れを引っ張っていく
ー「成長」の思考法
「不足を埋める」から成長が生まれる
「1人の成長」がどう影響していくのか
チームが成長するとき、必ず起きていること
リーダーが「先頭」を走ってはいけない
「スキルの差」はあっという間に縮まる
「変わった気になる」を徹底的になくしていく
「わかった気にさせる」リーダーになるな
「やった気にさせる」数学的理論
終章 リーダーの素顔
もっとも「人間」を追求したマネジメント
部下は誰ひとりとして見捨ててはならない
リーダーは「逃げ切ろう」とするな
雇ったからには「社員の人生」に責任をもつ
「おわりに」代えて
ー私たちの成長の話
内容
「識学」は、組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どのように解決できるか、その方法を明らかにした学問。いま、最も会社を成長させる組織論だといわれています。
本書は、そんな識学のメソッドを元に、「若手リーダー」に向けてマネジメントのノウハウを伝えるものです。
初めて部下やスタッフを持つような人、いわゆる「中間管理職」を想定しています。
リーダーがフォーカスすべきなのは、「5つのポイント」だけ。それが、「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」です。カリスマ性も、人間的魅力も不要。そのために最適なのが、「リーダーの仮面」というツールです。
ポイントを押さえた声がけやルール設定、評価をし、メンバーが最終的にちゃんと成長する。そんな「素顔」を見せないのが「仮面」の力です。内向的でもいい。声が大きくなくてもいい。
ちゃんとポイントさえ押さえれば、部下を成長させ、結果を出すリーダーになることができると本書には書かれています。
心に残ったフレーズ
72ページ9行目
「姿勢のルール」とは、「できる・できない」が存在しないルールのことです。
まさに姿勢が問われるルールなので、「姿勢のルール」と呼んでいます。
「あいさつをしましょう」
「会議には遅れず参加しましょう」
「日報を17時までに提出をしましょう」
などが姿勢のルールにあたります。
これらには、「やろうと思えば、誰でも守ることができる」という特徴があります。
姿勢のルールは、リーダーに対する姿勢を表すものです。
「できる・できない」が存在しないので、守らない人間は「意図的に守っていない」ことになります。
姿勢のルールを徹底して守らせることが、組織のリーダーとしての一丁目一番地にあたります。これができない人にリーダーの資格はないのです。